いろんなイミで『意外と・・・・・』

映画『人のセックスを笑うな』観てきた。


年上の女性の我侭に翻弄される、
ある美術学校生の物語。
その我侭に、まだ人生経験の少ない
『男の子』は迷い苦しみ・・・・・
そして観る前から分かっていた事なんだけど、
あっさり捨てられる、そんなお話。


題名から『インパクトをあたえるけど、
如何わしさのない普通の恋愛映画か?』
みたいに思ってたよ。
昔観た『ジョゼと虎と魚たち』みたいな?
切ないラブストーリーかな?
なんて思ってたんだけど・・・・・



ほんと、『意外と・・・・・』普通の
作品でした。
ラブシーンも淡白なほど『普通』だったし。
『わざわざ題名にするほどの内容?』みたいな。


『イイ感じの作品だな』とは、思うよ。
でもでも、前半の話の盛り上がり方より、
後半の展開がありきたりで退屈で。
『ジョゼ虎』でボロボロに泣いたボクちゃんとしては、
『意外と・・・・・』普通な作品ぶりに、
ちょい肩透かし。
むしろ主演の二人の展開よりも、その『男の子』に
想いを寄せる『蒼井優』の方が気になったよ。
さすが、ですよね。


ホント、いろんなイミで『意外と・・・・・』
な内容ですから、見に行くにはちょい覚悟が必要かも。
ボク的にはこの作品、
『嫌いになりたくないんだけど・・・・
オススメするにはどうかな?』でしたよ。



あとあと、意外とボクと(たぶんだけど)
『同年代の独身女性が一人で』観に来てましたよ。
彼女たちの『お目当て』が何なのかまでは分からないけど、
気になる作品ではあるみたいね。



・・・・はひィ?ちょっと待て!


以前読んだ『バカの壁』という本で、たしかこんな記載があったぞ。
「同じ教室で同じ時間、高校生男女に出産シーンの
教育ビデオをみせたところ・・・
女子生徒は興味津々で見ていたのに対し、男子生徒は見ようとしなかった。
そして見終った後で感想を聞いたところ、女子生徒は皆口々に
『ものすごい勉強になった』と答えたのに対し、殆ど見ていない男子生徒は
『何も得るものは無かった』みたいな答えだった」、らしい。
つまり、『同じ時間に同じ場所で同じ作品を見たのに、感想が違う』、ワケだ。
女の子たちにとっては、自分自身に今後関わる重要なコトだから、ね。


それをこの作品に当てはめて考えると・・・・・
そうか。
彼女たちは主役の永作博美に対して、
『過去のそしてもしかしたら今の自分』を、重ね合わせてみているのか?
つまり、感情移入、しちゃったワケだ?
だとしたら、感想はオトコのボクとは全然変わってくるだろうよね。
たしかに、相手役の松山ケンイチクンは年上女性にとって
『触りたくなる気になる存在』なんだろうね。


対して、ボクのような中年男性にとっちゃぁ松山ケンイチ君に
『年上女性のこんな気持ちも理解してあげられないの?
お子ちゃまだねぇ』程度の感想しか持ちえないんじゃないかな?
つまり、感情移入、できないワケだ?


ちょっと屁理屈っぽくなってきたからこの辺にしとくけど・・・
いかんせん、万人に『イイ!』と思わせるコトは不可能なんだろうね。
あとは、映画館で。観た人が感じて、そして評価して。



くちづけのシーンが、切ない。
思い出す。むかし、を。
それだけでも、ボクには観に行った意味があったと、思う。